続・家づくりの玉手箱 2020.10.05

ヴィンテージデッキの『修理レシピ』3

 

ヴィンテージデッキの『修理レシピ』2 からつづく

 

自宅の2階には2つのデッキがあります。

 

ひとつは南側リビングに接する開かれたスペース、もうひとつは北側のキッチンから出入りする勝手口のためのスペースです。
同じ材料で作ってあっても南側と北側では違った傷み方をしていきます。南側の方が塗装面の塗膜の劣化が早く、我が家では感覚的に北側の3倍以上のスピードで傷んでいく気がします。共に雨水の影響は同じように受けるので、どうやら日照の影響でその違いが現れるようです。

 

一方北側は日当たりが悪く雨水が乾燥するのに時間がかかるので、塗装が傷んでデッキ板に割れ目が出来てきた以降は、入り込んだ雨水による内部の傷みが南側より速い気がします。また、北側は藻や苔などの緑色なやつらの成長も目立ちます。

 

↑畑のあるカーポートの上への通路(キャットウォーク)もあって毎日妻が出入りしています

 

↑2階リビングに勝手口があってデッキと階段がついています

 

この場所のデッキは三角形の下地が鉄骨で組んであってデッキ板は直接鉄骨に固定されています。しかし、板の長さが長いところで180cmほどあり、最近載ったときのたわみが心なしか大きくなった気もしてきて不安になってきました。
以前、1階のデッキ板が一部弱っていて妻が踏み抜いてしまったことがあり、その後の ”一斉点検” でこの場所は補強することにしました。

 

↑ここのバルコニーは鉄骨組みの上に板が張ってあります

 

↑それほど大きくないので板の両端だけで固定されています

 

こういう時に、やる気が起こるかどうかに大きく影響する要素として決定的なのが作業環境があると思います。

 

●ある程度の広さの場所があって
●道具がまあまあ揃っていて
●手近に材料が置いてあったり

 

すると、ものぐさな住まい手諸氏でも「やるか!」ということになります さらに欲を言うと、

 

●作業場に屋根がある
●数日出しっぱなしでも問題ない

 

ということになりますと、益々がんばれることうけあいです。

 

今回は、両端まで飛んでしるデッキ板の支持はそのままで、真ん中に支える下地を増やすことで補強することにしました。鉄骨の加工は自分では難しいので、木を加工してはめ込むことにしました。幸い、倉庫にとってあった檜の角材が届く長さでしたので、早速始めました。が…加工が思ったより骨が折れました。

 

↑カーポートの奥には浅い倉庫があって作業場になります。DIYに誠によい環境です

 

↑鉄骨(H形鋼)にはめ込めるように角材(ヒバ)を加工します

 

↑三角形の鋭角部分に取り付く部分はえらく複雑になってしまいました(汗)

 

やはり、イメージしていたよりもずっと大変でした。 加工の大変さもさることながら、重たい角材をその場所に何回も運んで持ち上げて当てがう作業がプルプルもので、イメージよりキツかったです。こういう、寸法を現場で確認しながら合わせつける仕事は技術も体力も必要であることを身をもって感じました。現場でのこういう仕事は極力減らさないといけません。

 

↑削っては当てて、削っては当てて、やっとはめ込むことができました!

 

↑これで、当分は妻が踏み抜くことは回避されそうです

 

今回のお話は、引き渡して18年後の事です。
通常のつくり手の感覚ならば、保証期間も終わっていて少々のことは「しかたない」という年月かもしれません。
しかし、住んでる身からすれば「十年一日の如し」であります。ということは、20年は2日です。 そういう感性で引き渡した住まいに向き合える、そんな経営者の工務店は真の”本物”ということができると思います。

 

 

あなたの会社では自ら提供した住まいの ”その後” に向き合うことを率先して行っていますか?また、そのことを次のお客様に提供すべき ”商品” に反映して常に磨きをかけていますか?

 

 

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