セルフ剪定のための新兵器
これまで庭木の剪定は4年に1度、植えてもらった庭師さんにお願いしていました。庭師さんたちは、いつも4〜5人で来て1日で作業を終えていました。自宅は50坪少しの敷地なので人数が多いようですが、剪定した枝葉の物量はかなりのものです。切る人と片付ける人がバランスよくいないと作業が滞りがちになるのです。
昨年が前回の剪定からちょうど4年目で、ぼうぼうになっていました。しかし、庭師さんの空いている時期に自宅で撮影の予定があって先送りになっていたのです。今年、改めて庭師さんに依頼しようかと思ったのですが、いくつか気になる事があって自分でやってみることにしました。
気になる事というのは、以下のような点でした。
①あまりにバッサリ葉っぱが無くなるので、視線が気になるようになったり、日差しが強くなりすぎる
②一度に強い剪定を行うので木のダメージが大きく、芽が出てこない枝も多くなる
③庭師さんチームは切る人のほうが多く、ついつい切った枝のをトラックに載せる作業の手伝いをしているうちに切り過ぎ状態になってしまう(施主の目が届かない)
以上は前回の剪定時の反省点でもありますが、自分でやると解決できることばかりです。そのかわり多大な時間と労力を要する訳ですが。(前回の剪定の様子は オリンピックイヤーの『庭木剪定』 をご覧ください)



↑「新兵器」マキタの充電式ハンディソー(太い枝でもサクサク切れます)
剪定ビフォー&アフター
いざ「セルフ剪定」開始です。道ゆく人たちと、自分自身の安全確保のために妻にも手伝ってもらいます。湿度の低い、過ごしやすい日を選んで1日1本のペースで剪定していきます。前回剪定から5年経った「シラカシ」は、はしごをかけて登ってみると、思った以上に高く成長しています。
自宅の庭木の大半は2階バルコニーやカーポートの上から剪定ができるように配置されています。ただし唯一道路側の「シラカシ」のみはハシゴをかなり登っていかないといけない位置なのです。
はしごは5メートル近くありますが、登ってみると切りたい場所にぜんぜん届きません。充電式ハンディソーは枝に当ててボタンを押せば切れるのですが、大きなノコギリに比べてリーチが小さいのが難点です。より長いハシゴを注文しようかとも思いましたが既に大小3本もあって、しまっておく場所もないので断念。結果として、思った場所より近くで切ることになってしまいました。



↑上に伸びた枝を切っただけですが、落ちてくるとすごいボリュームです

剪定にまつわる「気づき」
ふだん毎日のように目にしている庭木ですが、自分で剪定してみると様々な「発見」があります。当然のことながら自分で切るとなると、枝や葉っぱの様子を間近で見ることになります。そうすると色々と見えていなかった「植物の生きる術」というか「生き物としての知性」のようなものを感じる機会となるのです。
例えば5年前に剪定した枝の中でも、新しいのがバンバン生えてきている場所と全く芽が出てこなかった場所があったり、枝と枝が干渉して変形してしまっている場所があるという「事実」などです。その成り行きを観察していると、植物自身のその「判断」が正しいことが分かってきます。結果として実に合理的なのです。
自分の家の木ですから、誰よりも観察の機会を得ているはずですが、手の届くぐらい近くに行ってみないと見えてこないことは沢山あるものです。私はプロの庭師ではありませんが、自宅の庭木に関しては「植物の成長の理屈」についてかなり分かってきました。
同じ剪定作業をするにしても、なんとなくでも理屈が分かった上で切るほうが断然面白いのです。結果を予想しつつ、後々どうなるかを見て答え合わせするというのも一興だからです。担当させていただいたお施主様に「セルフ剪定」をお勧めしてきた理由でもあります。






↑剪定後2階のデッキから見る「クス」(久しぶりに遠くの景色が見えるようになりました)

どうやら「シラカシ」や「クス」は強い剪定を行うと緊急スイッチが入ってより多くの芽を出し、その後の成長が早まるようです。今回「セルフ剪定」にて、いつもより控えめに切りました。さて、次回の剪定時期は早まるのでしょうか?それとも、意外に4年ぐらいはいけるのでしょうか?
気になるところです。
社長の会社でつくる家では「築20年超で訪れる楽しみ」はありますか?住みながら完成度を増してゆける「種」は蒔かれていますか?