私もそのようにやってきましたが、これまでは酔っぱらって人に話すことは『武勇伝』が多かったように思います。
しかしながら振り返り我が身をおきかえて聴き手にまわってみますと、『失敗談』のほうが断然記憶に残っていることは間違いないと断言できます。
こんな単純であたりまえのことに気づくのに相当の年数を要してしまったのですが、気付いた以上は誰かに話してみよう。実践してみよう。というのがこのコラムシリーズです。
ここでは、主にプロのはしくれとして住まいづくりに関する『しくじり』を中心にしますが、直近の経験ではマンションリノベーションでの『しくじり』が記憶に新しく、また鮮烈であることから加えさせていただくつもりです。
すこし前に「私、失敗しないので」という決めゼリフのTVドラマがありましたが…新米の頃はさておき、ベテランになってくればくるほど『しくじらない』ように見せかけたくなる訳ですが、
果敢に『火中の栗を拾う』人ほど『しくじる』
→『しくじる』から必死で考える
→必死で考えるから発想が出る
→まわりに協力を求める
→協力を求めるから感謝できる
→感謝できるから次のチャンスが巡ってくる。
何がしかやってみるからこそ何かが見えて、次に生きてくるということかと思います。
これは大人子供の区別なくやってみた人だけが分かるもので、次々発生するやっかいなことから逃げ回っている人には分からない感覚だと思います。
私の師匠はお酒が好きな方です。 ”ガソリン”が入るとエンジン全開で数々の『しくじり』を話してくださいます。その途端に、同席された方々は皆「なんだ、先生もやらかしてるのかー」と安堵するとともに心の中のメモにしっかりメモるのです。私もそれが楽しみで酒席に赴くのです。
あなたは、これまで『しくじって』きてますか?『しくじり』を誰かに話してますか?