大阪から鹿児島に移ってきて、自宅を建ててもらってからしばらくすると、県外の同業である工務店の社長・幹部の面々がシンケンの作品としての我が家の見学にお見えになることがしばしばありました。
三次会はしっぽり照明の暗〜い感じのバーに。もうかなりいい時間ですから、お客さんもまばらです。
「さっき二次会でシンケンの社長さんから、「キミは何回鹿児島に見にきたの?」って聞かれまして。かれこれ6回目です。。。なかなかシンケンさんのようには出来ません。とお答えしたら、「6回も来て出来ないんだったら一生できないでしょ。もう来なくてもいいんじゃないの?」って言われちゃいましたー汗」との事で、その方は「いやーっ」と頭を掻いておられていました。
他の方たちも同じようなことを言われたーっ」と盛り上がり、その方はさらに続けられました。
洋酒のロックをぐいぐいやってから「鹿児島に来るたびに刺激をいただいて、すごいなー。こんな家づくりがしたいなー。よしがんばろう!」と心に誓って帰るのですが「喰えちゃうんですよねー そこまでしなくても・・・」「地元に帰ると、つい忘れちゃうんですよ。」
「喰えちゃうんですよねーそこまでしなくても・・・」
これには、相当な衝撃を受けました。
かなりの酒量と上司ぬきの酒場話がある本質をついていることに目が覚める思いでした。
そう言われてみれば・・・大阪にいる時はそうだったよな・・・自分でも重なるものがあったからの衝撃だったのだと思います。
その後もその方は、いろいろなお話をしてくださったのですが、
「もうける」「かせぐ」ことが目的であればあるほど、
マーケット(市場)が「豊か」であればあるほど、
「競合」が激しければ激しいほど、
お金を払ってくださるお客様にちゃんと酬いる仕事をするということが難しいと言われるのです。
それでは、何を目的にすればいいのでしょうか?
口でいろいろ言ってはいても、これはひとつの真理かもしれない・・・とそのときの私は感じた訳です。
市場が厳しいと仕事が丁寧で市場が豊かだとお手抜きだということは、競争条件も違いますし必ずしも当たらないと思いますが、お客様に報いる志があってもついつい競争やまわりの空気に影響されて「忘れてしまう・・・」という傾向は確かにあるような気がしたのです。
あなたは何を目的に今の仕事をしていますか?