続・家づくりの玉手箱 2020.06.15

夏のための、『変身』

4人家族のときは2階リビングを真ん中にして子供たちが屋根裏で、パパママは1階で寝ていました。

適度にせまい屋根裏部屋はなんとも言えない居心地があり、たまにこっそり昼寝とかしていましたが娘が帰ってくると退散しなくてはなりませんでした。

 

といった時期を何年も経て、やがて子供たちが次々と巣立って行きました。

主がいなくなった途端、すぐさま憧れの屋根裏で休むようになりました。

それはパパだけではありませんでした。憧れの居心地にはママもついて来たのでありました。

 

しかし、この屋根裏には決定的な弱点があったのです。

冬はソーラー集熱のおかげて24時間暖かく天国でしたが、夏の日中はハンパない暑さでした。

当然ですが夏は冬以上に高温の集熱が可能です。 その豊富な熱量を利用してお湯をつくれるのですが、そのための集熱空気が一旦屋根裏室内に入ってくる仕組みであったためです。

 

システムの仕組み上、仕方ないとあきらめていましたが少し手を加えれば抜本的に改良できることを環境創機さんから教えていただきました。

「ダクトの一部をバイパスして、新しい制御盤に交換すれば可能になる」との事でした。

もうたまらずにすぐさまお願いして実行しました。“魅惑の変身” その実例をご紹介します。

 

↑Before 2002年式(屋根裏の機械部分。落書きは環境創機さんへの相談時のものです。)

 

 

↑After 2020年式改造版(ついでに本棚も作っちゃいました。しかも照明まで。笑)

 

 

↑Before の空気の流れ(南側屋根で加熱された室外空気が一度室内に入ってきてから排出されるルートでした。暑いはずです。)

 

 

↑After の空気の流れ その1(北側にある室内の吸気口から吸い込まれた室内空気が・・・)

 

 

↑After の空気の流れ その2(今回バイパスしたところを通って南側屋根を冷やしつつ排出されるルートに変更)

 

 

↑最新型空気式ソーラーシステム《そよ風》の夏の動作イメージ(室内空気を排出しながら屋根のクーリングを行う仕組みになっていますね)

 

《そよ風》の詳しい仕組み・特徴は環境創機さんのウェブサイトをご参照ください↓

 

環境創機株式会社

 https://www.kankyosouki.co.jp

 

 

という訳で、今年の夏は楽しみになりました。

改造後のパフォーマンスは夏本番になりましたら、追ってレポートします。

 

パッシブデザインにも様々な選択肢があります。

当然のことながらその全てを1軒の家に取り入れることは実際には難しいものです。 でも、その環境で有効なものをいくつか組み合わせるだけでもかなりの効果を獲得することができます。

 

今回の空気式ソーラーシステムひとつ取ってもその事を物語っています。

私自身は大騒ぎしていますが、端的に言うと空気の流れるルートを変えただけですが、それだけで室内気候や居心地は大幅に変わります。(自宅での検証はこれからですが断言できます!)

 

住宅のパンフレットには様々な選択肢や原理・原則がイラストとともに並べて書いてあったりします。

肝心なのはその理屈を個々の現場で適用しているのかどうかですが、しっかりと反映されていることは稀であったりします。パンフレットに書いてあるというのと、最終製品である住まいにこの事が組み込まれているかというのは見事に別物になっているのです。

 

「よくそれで問題にならないもんだ」と思われる方もいらっしゃると思いますが、改めて考えてみてください。大半のお客様が『一生に一度あるかないか』の買い物ですし、満足してはいないとは言ってもそれまで住み慣れた賃貸物件が評価の基準になっているとすると、気づくことは難しいと言えます。

 

最近よく耳にするようになった「フェイク」とも言える、こういった事は住宅産業に限ったことではありません。情報過多ともいえる現代ですが、情報が多いからと言っても正しい内容が入っているかどうかは別の話。選ぶ側としては気をつけなければいけません。

 

と同時に、提供する側としてはもっと気をつけなければならない事です。なぜなら、ホンモノのお客様にはすぐに見破られてしまうからです。

 

 

 

あなたの会社のパンフレットには、実践していない原理・原則を書いてしまったりはされていないですよね?

 

 

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