続・家づくりの玉手箱 2023.08.21

「アフターメンテナンス」の極意(その2)

 

 

「アフターメンテナンス」の極意(その1)からつづく

 

 

「アフターメンテナンス」の極意とは

 

 

いよいよ、擁壁の上の集成材を取り替える必要性が高まってしまった訳ですが、カーポートの屋根がかかっている部分はどうやって復旧すればいいのだろう?解体するのはなんとかなるとして、新築当時には交換することまで考えてなかったというのが正直なところです。

 

永年、妙案のないままにこの日が来てしまったのですが、あっさり解決してしまいました。なじみのシンケンアフター担当スタッフさんに見に来てもらい、簡単な図を描いてどうやって組み立てたか説明したら一発でした。頭がやわらかい。流石です。年中このような難問に向き合っているので、ポンとひらめくのでしょう。

 

その方法たるもの、聴いてみたら「なんだ。そうやればいいのか」というシンプルなものでした。しかし、これがなかなか常人には思いつかないものなのです。その方法は以下のようなものでした。

 

 

↓【図解】 このような手順で工事することになりました。まずはカーポートのないところから(さすがシンケンさん♡)

 

 

 

 

↓【図解】 続いてカーポートのあるところ(さすがシンケンさん♡)

 

 

 

 

 

 

「施主」安心して準備にかかる

 

 

こうして、工事の手順もクリアになり、まずは材料の手配をしてもらうことになりました。新築時は建築用集成材を注文して擁壁の上に載せて、鉄骨のカーポートを組みました。集成材は組み上げてから現場で塗装しましたので、材料どうしがくっついている面は無塗装になっていたと思います。(工事中の画像は 「アフターメンテナンス」の極意(その1) をご覧ください)

 

今回は住みながらの工事ですし、新築時より時間的に余裕があります。材料は杉無垢材に防腐・防蟻薬剤を加圧注入したものを注文してもらいました。そして、先に材料を自宅に運んでもらい、組み立てる前に塗装をしておくことにしました。塗装の担当は私です。

 

メンテナンス工事の場合、場所さえあれば施主が少しずつ塗装をしておくのはコスト面・品質面ともに都合がいいのです。組み立て前であれば全ての面に塗装できますし、重ね塗りも気が済むまで出来ます。「標準塗布量」と言われる塗料メーカーが定める耐久性能を出すのに必要な塗膜厚さは、大抵3回塗り以上塗らないと達成できない水準です。(これ本当です)

 

塗装屋さんに3回以上も塗ってもらおうとすると、かなりの手間がかかり塗装代がかさみます。ましてや少ない面積であると、塗っている時間より乾燥させている時間のほうが長くなります。現場で塗装してもらおうとなると、職人さんは何日も通うことになりかねませんので、現実的ではないのです。

 

擁壁に乗せる段階で大工さんが一部切ったり穴をあけたりする部分がありますが、塗料を残しておいて組み立ての際にその部分だけ塗ってもらうことにしました。これで新築の時よりは長もちしてくれるのではないかと思います。それにしても、注入材は思いのほか重いです。たまたま次女が帰ってきていましたので、動かすときは手伝ってもらい妻と3人がかりでした。

 

 

↑【自宅側】材料が届きました(今度は杉無垢の薬剤加圧注入材です)

 

↑【自宅側】先に少しずつ塗装しておきます(乾いたらひっくり返して裏です)

 

↑【自宅側】2段目以降は重労働でした(これが動かすのが重くって3人がかりでした)

 

 

 

ビフォー&アフターで見る変化

 

 

そうして20年ぶりに集成材→無垢材に交換した部分を、色々なアングルから見てみます。そこにあったものが急に無くなると、そのものの果たしていた役割がよくわかります。こういったことは、家が完成して住み始めると誰しも分かるようになるのですが、プロである以上は土地を見て設計する段階で「感知」する想像力を身につけたいものです。

 

 

↑【自宅側ビフォー】お風呂からの眺め(集成材を外すとお隣から丸見えです)

 

↑【自宅側】お風呂からの眺め(十数年ぶりにブラインドを出してきました)

 

 

 

↑【お隣側ビフォー】笠木付近を剪定してみたら木材がなくなっていました

 

 

↑【お隣側解体後】集成材を解体すると、あちこち丸見えになります

 

 

↑【お隣側アフター】美しく復活しました(緑とのバランスのいいです)

 

 

↑【自宅側解体後】40センチ程度ですが、プライバシー感が全然違います

 

↑【自宅側アフター】やっぱり、隣どうしお互いに落ち着きます

 

 

↑【自宅側解体後】室内から見ても、集成材がないとこのような感じです

 

↑【自宅側アフター】目隠しとともに、竹林の「背景」が出来て庭感が出ました

 

 

↑【道路側ビフォー】集成材の端っこは既に朽ち果てて

 

↑【お隣側ビフォー】完全に笠木だけになっていました

 

↑【道路側アフター】おお。もう早速つるが登ってきています

 

 

こうして、晴れてメンテナンス完了となった訳ですが、作業の途中にこそ様々なリアル体験が待っています。往々にして企業内では共有されることのないドラマです。ほとんどの工務店経営者は知らない世界でしょう。 次回は【ビフォー】【解体後】【アフター】のリアルな工事プロセスをご紹介します。

 

 

 

「アフター」の極意(その3)につづく

 

 

 

 

 

 

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