続・家づくりの玉手箱 2020.12.21

冬の陽光とともに生きる。暮らす。

 

朝の陽光

 

子供たちが大きくなって出ていってからは夫婦ともにロフトで寝ています。

 

トイレまではいちばん遠くなってしまうのですが、ここがいいのです。とにかく居心地がいい。特に横になった時の塩梅がよく、いろいろとポジションを変えながら年中ここで寝ているのです。

 

冬になり、陽が短くなってきますと暗いので朝が来るのが遅くなってくる気がします。 しかし、現在の屋根裏にある寝床ポジションは日の出とともに強烈なまぶしさに襲われます。少し南寄りの東側の低い窓のそばにあり、寒い時期には日の出の光線が枕を直撃するという位置関係になっているからです。

 

夜遅くまでがんばった次の朝も容赦なく朝日が顔面に(ロフト)

 

↑反対側に寝返りうってもこれまた眩しいトップライトが(ロフト)

 

夜遅くなってしまい、朝寝坊をしようとしても日の出とともに強制的に「起動」されます。まぶしさのあまり毎朝のように反対に寝返るのですが反対側にも大きなトップライトが待ち構えていて、これまた眩しく二度寝を諦めざるを得ないつくりになっています。

 

しぶしぶ起きて階段を降りていって食卓につきますと、天板がひなたになっています。読みものをしながらゆっくり噛んで食べるのに良いようです。こちらも朝日の方向にテーブルの高さの窓が並んでいて、この時期は外の桜の葉がぜんぜんありませんので、どんどんひなたが拡がってきます。朝ごはんはフォトジェニックに輝きます。これだけでも、かなり幸せです。

 

↑しぶしぶ起きて食卓につくと、ここもひなたです(2階)

 

↑「映え」のする朝ごはん(2階)

 

お昼の陽光

リビングは南側にあり、大きな作業テーブルが置いてあります。
お昼がきて、午後からはリビング全体がサンルームになります。南側に並んだ大きな掃き出し窓は、外のデッキと中の床を明るくて暖かなひなたでつないでしまいます。ランチの頃には朝日のほうにある食卓は陰になっていますが、こちらのリビングにあるテーブルは天板の上も、足元も、ひなたでホカホカになるのです。最もひなたの持続時間の長い場所です。普段は妻が占領しているのですが、隙あらばここへ移動します。

 

↑お昼からはリビング全体がサンルームになります(2階)

 

↑夕方にかけては西側のここがいい感じになります(2階)

 

夕方の陽光

西側に日が傾いて、夕暮れにかけておひさまを追いかけて更に移動していきます。別に移動しなくてもいいのですが、家の中にいて外を感じる感覚、季節と時間の移ろいを楽しむのを体験してしまうと、道具一式を持って動いていってしまうのです。そうこうしていると、物があちらこちらにバラけてしまって探したり取りに行ったりする事も多くなりますが、それ以上に味わえるものは確かにあるのです。

 

↑日没前は和室でもうひとがんばりします(1階)

 

↑障子を開けると少し冷えますが、黄昏の茜空にはかえられません(1階)

 

その土地その場所の持つ移ろわないものと向き合って考え、決定された家のプランというものの価値たるものは素晴らしいものです。正直、家を建てた時点では理屈でしか分かっていなかったことですが、こういったことが建てる前の設計段階で実践されているケースはまだまだ稀であることは間違いないと思います。

 

住宅の性能に関する数値や基準が意識されるようになって久しいです。徐々に住まいの性能は向上してきているようですが、その事とそこで住まう悦びというようなものは必ずしも相関しているとは言えないようにも思えます。

 

数値を満たせばそのプロダクトが即素晴らしいものなのかどうか?自動車やパソコンでさえも必ずしもそうではない事は、言うまでもなく皆が知るところです。そこがものづくりの難しくも面白いところです。人間のための、人間が使うものには最終的に「感情の奥底に届く何か」が必要なのかもしれません。

 

 

 

 

あなたの会社では、住宅性能の数値や基準を意識して設計をされていますか?また、最終目的として住まい手の未来の五感に訴え続ける、感情に届く価値を意識してプランニングをされていますか?

 

 

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