続・家づくりの玉手箱 2024.02.05

浄化槽にサヨナラする日(後日談前編)

 

 

懸命の『庭化計画』

 

 

諦めかけていた頃に、自宅前に下水道工事が入りました。ローカルあるあるですが、自宅エリアは浄化槽がまだまだ主流です。下水道工事自体は道路部分に下水道配管を埋設、各住宅の浄化槽から側溝に放流している場所にあわせて接続口を設けるところまで実施されます。

 

下水道に切り替える際に、各世帯は敷地内に新設した下水道配管をその接続口に繋ぎます。自宅ご近所の様子を見ていると、すぐに下水道に切り替える世帯はかなり少数派のようです。切り替え工事は基本自費ですし、下水道の利用には経済的負担もあるからです。

 

浄化槽にも点検費用や清掃費用といった維持費はつきものですが、下水道の利用開始後はそれらの維持費に変わって下水道利用料金もかかります。上水道の使用量に連動して課金されますので、庭の水まきなど水道使用量の多い家庭ではバカになりません。

 

また、下水道の利用開始前には敷地面積に応じた一時金の負担もあります。ご近所は比較的土地面積の大きいお宅も多くありますので、一時金の負担が最大のネックなのかもしれません。

 

自宅では、すぐさま切り替え工事をしてもらいました。敷地面積は50坪少ししかありませんし、夫婦ふたりで水道使用料も減っていたからです。そして、傷んでいた枕木を切石に交換する機会にもなりました。

 

しかし、下水道の排水管を入れる際にコンクリート土間を掘り返さなければなりませんので、その復旧が問題でした。一般的には新旧のコンクリートがツギハギ状態になりますが、それがイヤだったのです。その解決方法として、下水道配管のルートを遠回りしてもらいコンクリート平板での復旧にしたのでした。(工事の詳細は、浄化槽にサヨナラする日(前編) 浄化槽にサヨナラする日(後編) をご覧ください)

 

 

↑下水道接続工事後のご近所はだいたいこんな感じです

 

↑浄化槽利用時の排水ルート

 

↑下水道接続後の排水ルート(けっこう遠回りしています)

 

 

 

「最強」VS「地元」の植え付け

 

 

切り替え工事後の新旧のコンクリートがイヤだっただけではなく、元々駐車スペースの土間コンクリート部分が敷地に対して広すぎる気がして、もう少し「庭化」したかったのです。そこで、コンクリート平板の隙間に植物を植えることにしました。

 

この場所は、新築時夏場は日当たりが良すぎるぐらいでしたが、庭木の成長とともに夏場は半日陰になるようになりました。逆に冬場は意外と日が差してきます。グランドカバーのための植物にとって新築時よりは生育環境も良くなっているはずです。

 

コンクリート平板の隙間には、とりあえず2種類植えてみることにしました。ひとつは「最強」のグランドカバーと言われるダイカンドラです。一度根付いてしまったら、ほぼ通年緑のグランドカバーをキープできるそうです。別名アオイゴケとも呼ばれているようです。

 

もうひとつは「地元」代表の苔です。種類などは不明ですが3種類ぐらいは混じっている気がします。近所の間知ブロックなどの表面にびっしり成長しています。鹿児島市では定期的に桜島の火山灰が降ってくるためか、コンクリート擁壁などの表面にも苔の生育がいいようです。剥がしてみるとフカフカで、ものすごく厚みがあります。

 

 

↑夏至の日の木陰(いい感じに半日陰になっています)

 

↑コンクリート平板の隙間に苔を移植中

 

↑苔は近所の道端から分けてもらってきました

 

↑このような場所がたくさんあるのです(年中こんな感じです)

 

↑まるい葉っぱのダイカンドラは種から育てたものを移植

 

 

 

ひとつ楽しみが増えました

 

 

今回植え付けしたのは寒くなる前の10月でした。その後だんだん寒くなってきましたが、桜が落葉している期間は日当たり良好な状態が続きます。その間に根付いてくれないかなと楽しみにしています。また、「最強」VS「地元」どちらが優勢になるのか?も興味深いところです。

 

いずれにしてもコンクリート平板の隙間に、緑がはみ出んばかりにいっぱいになってくれるイメージです。さらにはコンクリート平板の角が丸くなってくるぐらいに成長してくれると嬉しいです。

 

新築時に枕木を敷いていた道路際には切石を敷いてもらいましたが、コンクリートの周辺よりも植物の定着や成長が断然早いようです。切石はサンダーで切れるくらい柔らかいので、吸湿性があったり多孔質だったりするからかもしれません。あるいはコンクリート周辺はしばらくアルカリ性が強く、切石は自然のものですしPH的には中性だからかもしれません。

 

これから暖かくなるのが楽しみです。管理できる範囲であれば、庭のある暮らしは季節を楽しむ生活になります。多くの現代の家庭が失ったもののひとつです。

 

 

↑移植2ヶ月後の様子(冬場ですが植えていない雑草が出てきています)

 

↑こけむした階段(ついつい、こういう場所を踏みしめたくなるのはなぜでしょうか)

 

 

 

「残地」とするか「庭」とするかで、「その家」も「社長の会社」もその先の運命が大きく変わることになります。社長の会社では、建物が建っていない敷地をどのように捉えていますか?

 

 

 

 

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